カナダに行ったよ

その１１

• やっぱり朝は音楽で始まる！？
  今日は８月１７日。この旅行も残すところあと２日である。今朝は６：００に 目が覚めた。今日のモーニングコールは７：００の予定なので、しばらく本を 読むことにする。５分ぐらい経った時、隣の部屋からいきなり『ヘイ・ジュー ド』が流れてきた。しかも、かなり大きな音量である。思わず苦笑するが、正 美は気がつかずに寝ていたし、自分も嫌いな曲ではないのでそのまま放ってお いた。
  やがて７：００になる。いつものようにシャワーを浴びて朝ご飯を食べに行く。 会場は昨日と同じだが、席は勝手に座って良いようだ。最初はいつも通りにコ ーヒーか紅茶のサービスから始まる。ハム、ポテト、パン、 etc. これまたい つもと同じアメリカン・ブレックファーストである。
  ８：００前に部屋に戻り荷物の整理をする。部屋から外を見ていたら、８：３０ 頃にキースさんのバスがやってきた。もう一台バスが来ていた。こっちはもう 一つの日本人の団体用のバスのようだ。キースさんと二人で窓ガラスの掃除を していた。

  ８：５０にロビーに集合なので、ちょっと早めに部屋を出る。記念にロッジの 写真を撮っておいた。バスの写真を撮ろうとしたら、ちょうどキースさんが 戻ってきた。写真を撮ろうとしていたことに気がついたようで、こっちが遠慮 していたら、『Ｇｏ ａｈｅａｄ．』と言ってくれた。

• カナダ人の仕事
  一般に、『カナダ人は非常におおらかである。』と言われているそうだ。時間 に遅れることを悪いこととは考えていないお国柄だそうだ。そのため、バスの 運転手さんがいきなり道端にバスを止めて、お客さんを残したまま銀行に行っ たりだとか、すれ違うバス同士で話し始めたりというのはよくあることらしい。 さらに、道路工事などもいつ終るかわからないといった状況だそうだ。
  で、国道１号線は２車線から４車線へ拡大する工事が行なわれていたりする。 ところが、ご他聞に洩れず、ここで働く人たちもカナダ人であるため、この工 事、去年の１０月くらいから始めているのにいまだに終らないそうだ。さすが に国の方も『これじゃいかん！』と思ったらしく、『期限までに終らなかった ら給料なしだからね。』と通達を出したそうだ。その途端、日曜日もなしで工 事がなされるようになったらしい。

• カナダの自然保護、その１(山火事)
  予定通り、９：００にロッジを出発する。今日のガイドは田村さん。柳葉敏郎 のような髪型をしている。トレッキングシューズを履いていて、いかにも『山 のガイド』という感じである。今日はまず最初にレイク・ルイーズを目指す。
  国道一号線をジャスパー方面に進んでいく。途中、ソーバックレンジと呼ばれ る山並みの中腹が灰色に変わっている部分があった。これは山火事の跡らしい。 昔は山火事が発生すると消火していたらしいが、最近では山火事が発生しても 消火しないそうだ。逆に、あまり長い間山火事が発生しない場合は人間が火を つけて、わざと山火事を発生させることもあるそうだ。
  カナダの自然保護の考え方は、自然保護というよりは『自然放置』に近い。長 い地球の歴史から見て、『森林のあるべき姿』と考えた時、山火事も、森林の 輪廻のためには必要なものではないだろうか。そのためには山火事は消火せず になすがままの状態にしておく道を選択したらしい。日本のような『自然保護』 が本当に正しいのかと考えさせられてしまった。

• カナダの自然保護、その２(アニマルオーバーパス)
  国道１号を通っていると、２ヶ所ほど陸橋が見られた。これは、アニマルオー バーパスというらしい。その名の通り、動物が行き来するための道である。国 道１号線によって分断された森林に住む動物の生態系を守るためのものらしい。 実は国道１号沿いには、すでにアニマルアンダーパスというものがあったそう だ。これは小さいトンネルとなっているそうだが、調査したところ、ここを通 らない(通れない？)動物がいたそうだ。そのためにアニマルオーバーパスを建 設しているそうだ。
  ちなみに、このアニマルオーバーパスの建設費用だが、１ヶ所約６０００万円 だそうだ。これが２ヶ所あるので、１億２０００万円。これが完成しても、本 当に動物たちがここを通ってくれるかどうかわからないそうだ。しかし、『何 もしなければ状況は変わらない。何もしないよりはマシ。』という考えでやっ ているそうだ。

• レイク・ルイーズの美しさに感動
  そうこうしているうちに、レイク・ルイーズに到着した。標高は１５００ｍく らいだろうか。バスの外はかなり寒い。自分の吐く息が白く見えるほどである。 『今って真夏だよな、、、』。
  駐車場から森を抜けると、レイク・ルイーズが見える。湖畔にはシャトー・レ イク・ルイーズというホテルが建っている。目の前にはビクトリア氷河が見え る。周囲の山々が湖に映っている。本当にパンフレットと一緒の風景が広がっ ている。思わず息を飲んでしまった。湖面はエメラルドグリーンになっていて、 非常に綺麗である。水を触ってみたが、とても冷たい。やはり、氷河の融け水 が流れ込んでいるためであろう。
  湖の写真を撮ったが、パンフレットと同じように氷河が湖に映っている様子が 撮影できた。絵葉書にしたいほど美しい写真となった。

• 氷河ハイウェイをいく
  レイク・ルイーズから州道９３号線、通称、氷河ハイウェイを進む。まず最初 にクロウフット氷河に行く。ここはその名の通り、カラスの足のような形をし ている氷河があるため名前がついている。ただ、山の上の方がガスっていて、 形が良く見えなかったのは残念だった。
  すぐ隣にボウ湖がある。ここも氷河湖であるため、エメラルドグリーンの湖面 を持っている。ここで、今回のツアー参加者全員で記念撮影をした。(写真を現 像してから気がついたのだが、実際には全員ではなかった。)
  さらにバスは進んでペイト湖に行く。ここはボウ峠という標高２０６９ｍの峠 からさらに登ったところにある。展望台付近では２１００ｍくらいあるため坂 を上り下りするだけで息が上がってしまう。事前にガイドさんから『走ると息 が切れて、最悪の場合は酸欠状態になるので、絶対に走らないで下さい。』と 注意を受けていたが、冗談ではないことが良く分かった。
  さて、ペイト湖だが、ここは見る方向や、季節、時間によって湖面の色が変化 するそうだ。自分たちが見た時はちょっと青みががったエメラルドグリーンだっ た。

• 今回の昼食でも事件が…
  バスに乗り込み氷河ハイウェイを北上する。途中、ブラックピラミッド山、ホ ワイトピラミッド山を横目に見ながら進む。どこを見ても日本ではまずお目に かかれない光景である。
  ノースサスカッチュワンクロッシングというところで昼食となる。ここもバイ キングスタイルの食事である。早速食事を取りにいく。酢豚のようなものと、 サラダ、フライドチキン、パン、チャーハンのようなものがある。いつものよ うにサラダを取ってみたが、なんとでっかい生のブロッコリーが入っていた。 食べてみたが、ほとんど味がない上に、生なので固い。これにはさすがに参っ てしまった。
  そのうち飲み物がサービスされた。自分は水を頼んだが、正美はオレンジジュー スを頼んでいた。味を聞くと、とてつもなくまずいとのこと。実際に飲んでみ たが、ファンタオレンジから炭酸を抜いたものを水で薄めたような味だった。 とてもじゃないが、『オレンジジュース』を名乗る資格がないような代物だっ た。
  デザートにケーキがあることが分かり、取ってきて食べてみたが、これまた砂 糖をそのまま食べていると思えるくらいに甘い。甘いものがあまり得意ではな いのでなかなか辛いものがある。

• 売店でサングラスと絵葉書を購入する
  食堂の他にもスナック類を売っているスタンドやみやげ物を売っている売店も ある。売店をウロウロしていたら、２０＄くらいでオーバーサングラスが売ら れていた。ちょうど合うサイズがあったので、購入した。これで氷河の上でも 大丈夫である。
  なおも店内をウロウロしていたが、正美が絵葉書を発見した。１枚６０セント くらいなので１０枚ほど購入する。
  出発前にトイレに寄り道してからバスに戻る。いよいよコロンビア大氷原へと 向かうことになる。

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