カナダに行ったよ
その12
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- アバランチコントロール(Avalanche Control)
サウスサスカッチュワンクロッシングから氷河ハイウェイを走る。途中に遮断機
があった。これは雪崩をコントロールするために使われるのだそうだ。
ここではあらかじめ積雪量や気温などで雪崩が発生しそうな場所の見当をつけて
おき、雪崩が発生してもおかしくないような危険な状態になるとロケット弾を
ターゲットポイントめがけて発射し、人工的に雪崩を発生させるそうだ。山並み
のところどころに木が無くなっていて、スキーのコースのようになっている場所
があった。これが雪崩が通った跡だそうだ。これをアバランチシュートと呼ぶら
しい。
このようなアバランチコントロールのために途中の道路に遮断機を設けて、決め
られた時間に全ての交通を遮断するそうだ。
しかし、ロケット弾で雪崩を発生させるなんてスケールが違うと思った。ちなみ
に、このロケット弾だが、不発弾もあるそうで、ハイキングなどを楽しむ人たち
のために、『不発弾注意』と書かれた看板があるらしい。看板があるといっても、
不発弾に触れればふっ飛ぶことは間違いなしである。いくら自分の身は自分で守
ることが基本になっていとはいえ、ちょっと恐かった。
- アイスセンターに到着
アイスセンター到着前にいくつか注意を受けた。
- アイスセンターから雪上車の発着場まではシャトルバスを利用しなければ
ならないが、このバスは完全予約制で、乗り遅れると次の便というわけには
いかないそうだ。くれぐれも集合時間に遅れないように。
- アイスセンターを一歩出るとトイレは一切ない。氷河まで行って、下まで
戻ってくるまでに約2時間かかるそうだ。氷河上で用を足すことはできない
ので、我慢するしかなくなってしまうらしい。行きたくなくても必ずアイス
センターで用を済ませておくように。
- 雪上車を運行している会社は氷原での事故には一切責任を負わないそうだ。
そのため、決められた場所以外には絶対に行かないこと。
- コロンビア大氷原では滞在できる時間が決まっている。雪上車は規定の時
間が来たら、全員揃っていなくても出発してしまうそうだ。くれぐれも時間
に遅れないように。ちなみに、雪上車に乗り遅れると歩いて降りてこなけれ
ばならないらしい。
標高2000m以上の山道をエッチラオッチラ上っていくとコロンビア大氷原が
見えてきた。『で、でっけ〜!!』というのが第一印象である。
- 日本語はいつから国際語になった!?
バスは駐車場に入る。20分ほど時間があるので、アイスセンター内で自由行動
となった。とりあえず、トイレに行っておく。まだ時間があったので、売店を見
学した。パーカーやトレーナーなどが売られている。あとはマグカップとか、そ
の他諸々のよくありがちなおみやげが並んでいた。ここでも絵葉書が売っていた
ので買うことにした。我々が列に並んでいると、前のおじさんがいきなり日本語
で、『あのね、カメラの電池が切れちゃったんだけど、これと同じものある?』
と聞いた。『おいおい、いくらなんでもいきなりが通じる日本語かよ』と思って
いたら、レジのお姉さんは何事もなかったかのように電池を取り出して、『これ
でいいね。』と言った。おまけに『ありがとうね〜』という日本語付きである。
いくら日本人観光客が多いと言っても、そのままの日本語が通じるとは、、、驚
くと同時に、一言も英語を使わなかったオジサンに呆れてしまった。
- いざ、コロンビア大氷原へ
決められた時間となったので、シャトルバス乗り場へと移動する。我々の乗るバ
スは2番ターミナルから出発するそうだ。一緒になったのは別の日本人の団体と
オランダ人の団体だった。
最初にバスの運転手さんが簡単な日本語で挨拶してくれた。その後、フランス語
らしき言葉で喋っていた。おそらくオランダ人グループ向けであろう。時間が来
たらしく、出発する。往路はもう一つの日本人の団体のガイドさんが案内してく
れた。復路はオランダ人の団体のガイドさんが喋ることになるらしい。
シャトルバスは氷河が作った堆積物の谷の外側を走っていく。かなり急な坂を上
り下りしたところに雪上車のターミナルがある。ここで雪上車に乗り換える。
- 雪上車に乗る
事前に添乗員さんに『一番前が面白いよ』と聞いていたので、シャトルバスでも
一番前の席をgetし、移動しやすいようにした。幸い、雪上車でも一番前を
getできた。雪上車のドライバーはリー・シンプソン氏。かなり陽気な人だっ
た。日本語とフランス語で自己紹介をしてくれた。いよいよ出発。
ターミナルから出ると、いきなり38%の下り勾配となる。角度にすると30度
くらいなのだが、谷底へまっ逆さまにに落ちていくような錯覚に捕らわれる。そ
こを下り切ると氷河の融け水が水溜りを作っていた。『ここでタイヤを清めてか
ら氷河に向かう』などという運転手さんもいるそうだ。ここから先は全て氷・氷
・氷。左を見ても、右を見ても、前も、後ろも、全て氷の世界である。雪上車の
窓を開けてみるが、空気が冷たい。20分ほど走ってコロンビア大氷原に到着す
る。
- 一面氷の世界
雪上車から降りる前に集合時間を指示される。これに遅れるとここに置いていか
れることになる。もう一度自分の時計を確認する。
雪上車から降りるとそこは氷の世界である。思わず滑べって転びそうになる。早
速持ってきたペットボトルに水を汲もうとするが、あまりに水が冷たくて30秒
と手を付けていられない。少しだけ汲んで飲んでみるがとても冷たい。市販され
ているミネラルウォーターよりもミネラル分が多く含まれているらしいが、そこ
まで分かるはずもない。標高もかなり上がっているため、紫外線が強く感じられ
る。
広場の左端から先端へ移動し、写真を撮る。さらに奥へ行っている人もいたが、
広場以外は何があるか分からず、非常に危険とのことなので先に行くのはやめて
おく。次に広場の右端へ移動する。ここからはアイスセンターが見える。
あまり時間がないので、雪上車に戻ることにする。雪上車の前でリーさんと記念
撮影をする。
復路はオランダ人の団体さんのために後ろの方に座る。言葉もなくただぼーっと
周囲の景色を見ていた。雪上車などない時代は冒険家たちはここまで自分の足で
歩いて登ってきたはずである。途中に広がるクレバスと戦いながら。そう考える
と改めて今自分たちが生きている時代の文明の利器のありがたさを感じていた。
- アイスセンターへ戻る
雪上車のターミナルでリーさんとお別れし、シャトルバスに乗り込む。15分ほ
どでアイスセンターに戻ってきた。氷河の上が寒かったせいか、アイスセンター
が異常に暑く感じられてしまう。
ここからバンフまではノンストップとなるので、トイレ休憩をし、早々に出発す
る。
- バンフへ戻る
今度はキースさんのバスに乗り込み、元来た道をバンフへと戻っていく。山から
下っている時に山羊の親子がいた。一所懸命に石をなめていた。これは石の表面
に付いているミネラル分をなめているのだそうだ。
サウスサスカッチュアンクロッシングまでは起きていたが、そのすぐ後にあるブ
ラックピラミッド山を見た記憶がない。どうやら寝てしまったらしい。国道1号
線に入った辺りか、入る手前で野性の熊を見ることができた。一応写真を撮った
のだがブレてしまって何が映っているのかよく分からない写真になってしまっ
た。
18:00過ぎにホテルに到着する。ホテルの横に看板があるのだが、そこで1
頭の雄鹿か草を食べていた。本日3回目の野性動物である。
- 早々に夕食を済ませる
今日の夕食は18:30から。今日のメインはサーモンのパイ包み焼である。
パンフレットではサーモンが丸ごと焼かれていた料理が載っていたような気がす
るが、サーモン料理に違いはないので文句を言わず食べる。ところが、これがな
かなか美味しい。ソースとサーモンの肉汁が合わさって絶妙の味を出している。
なかなかメッケものだったかもしれない。
サーモン以外は付け合わせとパン、飲み物、デザートのニンジンケーキとなる。
18:30とはいえ、日本の16:00くらいの明るさである。かなり慣れて
来たが、やっぱり違和感を感じてしまう。
- 夕食の後は買い物へ
夕食後、20:30からバンフの街へ買い物に出かける。OKギフトショップ
の小型のバスがホテルまで向かえに来てくれて、OKギフトショップの前まで
連れていってくれた。
我々はOKギフトショップに入るフリをして違う店を目指す。正美がTシャツ
を買いたいと言っていたので、それを探すためである。最初に入った店で目星
をつけておく。あとは違う店で同じようなもので安いものがあるかどうかを探
せば良い。
目星をつけたところでバンフの町並みを写真に撮っておく。バンフにある教会
の前からアップタウン側とダウンタウン側の2種類の写真を撮っておいた。
写真を撮ってからマウントロイヤルホテルの方に移動し、サイトウというこれ
また日本人が経営していると思われる店に行く。ここで二人のお父ちゃん、お
母ちゃんにおみやげのトレーナーを買う。当然、ペアルックにする。
残るは正美のTシャツだけだ。再び違う店に移動すると気に入った柄があった
ようで、それを購入する。
一通り買い物が終ったのでOKギフトショップに戻る。ここでメイプルリーフ
シロップやクッキーなどの小物と、おみやげを入れるためのカバンを購入する。
支払いの時にお店の人にタクシーを呼んでもらう。支払いが終って店の外に出
るとすでにタクシーが来ていた。
- 海外でタクシーに乗る、その3
ニューヨーク以来のタクシーである。かなり若いニイチャンだったが、かなり
話し好きのようで、いろいろと喋りかけてくる。『どこから来たの?』と聞か
れたので『横浜だよ』と答えたら、『今週は横浜が多いな。先週は東京が多かっ
たから、来週は大阪が多いに違いない』だって。『(仕事は)なにやってる?』
と聞かれたので、『ソフトウェアプログラマーだ』と答えた。『会社は?』と
聞かれたので『☆○◇だよ』と答えたが、知らなかった。うちの会社はまだま
だメジャーな企業ではないらしい。『いつ(日本へ)帰る?』と来たので『残念
だが明日帰っちまうよ』と答えた。すると、『じゃぁ、ボスに電話して休みを
1週間伸ばせばいいじゃんか』と言われた。これには思わず苦笑してしまった。
そんなこんなであっと言う間にロッジにたどり着いてしまった。親切な運転手
さんでわざわざドアを開けてくれた。
- 最後の荷物整理
部屋に戻って早速荷物整理をする。明日は朝6:00には出発するので今夜が
勝負である。スーツケース2つと伸縮可能なカバンに荷物を詰め込み、機内に
持ち込むものを分けて作業終了。思ったより時間がかかってしまい、すでに
0:00を回っていた。冗談抜きで起きれなくなるので寝ることにする。
To Be Continued…
wake@yk.rim.or.jp