F1観戦日記
その4
Last Update:
- 晴れ!
今日はいよいよ決勝である。天気予報を確認すると、見事に『晴れ』となって
いた。雨が降るとレースが荒れて面白いが、現地で観戦するのは非常に大変な
ので、晴れてくれた方が良い。
洗面を済ませ、身支度を整える。いざ、出発。今日は決勝日なので、7:30
頃にはすでに人が動き始めている。スポーツセンターの前の通りでは、トー
チューが売られていた。もちろん、購入する。
- ビルニューブが失格!?
ビルニューブが失格になるらしい。どうやら、フリー走行で黄旗を無視したら
しい。他にも数名のドライバーが黄旗無視をしたらしいが、初犯なので1戦の
執行猶予らしいが、ビルニューブはこれで今年3回目の黄旗無視だそうだ。そ
れで、今回は失格となったらしい。当然ながら、ウィリアムズとビルニューブ
は抗議し、それが受理されたため、今日の決勝はスタートできるそうだが、結
果は裁定が出るまで暫定扱いになるとのこと。
チャンピオン争いが激しくなっているのに、なにやらキナ臭い感じもするが、
『ルールはルール』(c)M.シューマッハである。コースサイドにマーシャルが
入って作業しているのに、全開でアタックするのは安全面から考えれば大問題
である。
いずれにせよ、なんだか後味が悪くなりそうなレースとなりそうだ。
- ステッカーを探せ
今日も正面ゲートから先に続いている出店でステッカーを探しながら歩いてい
く。なかなか見つからない。もっとも、自分もほとんどスタンドに座ったまま
で、積極的に探しにいかないのも問題ではあるのだが、、、
スタンドに到着した後に付近の出店を見にいったAさんから携帯に連絡が入り、
B1スタンドの裏にある出店で無限やホンダの文字が白抜きになっていて、手
頃な大きさのものがあったとの連絡が入った。早速その出店に行ってみると、
ノートパソコンに張るのにちょうど良いサイズのステッカーが売られていた。
いろいろ悩んだが、ホンダのものと無限のものの2種類を購入した。そのステ
ッカーは会社で使っている。(:p)ノートパソコンに張ってある。
- 朝のウォームアップ走行
さすがに今日は観客が多い。朝のウォームアップは8:30からとなっている。
今日は3日間の中で一番風が強いように感じた。メインストレートではちょう
ど追い風になる。スタンドの最上段に立てられている旗が風になびいている。
やがてウォームアップ走行が開始された。ティレルの2台を先頭に、続々とコ
ースインしていく。各車とも、おそらくは満タンとなっているはずだ。1周の
確認走行を終えたらピットに戻っていった。
開始5分ほどで、ビルニューブが最初にメインストレートを通過。 41.120 の
タイムを出した。開始10分、昨日満足にタイムアタックできなかった中野が
39.553 でトップに躍り出た。昨日が最悪だっただけに、今日の気合いの入り方
はすさまじいものがあるのだろう。
マクラーレンの2台が共にシケインのアプローチをミスしていた。クルザード
はスロー走行でシケインを抜けてきた。ハッキネンはブレーキングをミスった
ようで、グラベルに飛び出していた。バランスの調整がうまくいってないのだ
ろうか。
セッション終了直前にハッキネンが 38.113 でトップになった。満タン時のバ
ランスが改善されたようだ。やがてセッションが終了した。
- ウォームアップセッションの感想
ここにきてプロストGPの2台の調子が上がってきているようだ。パニス6位、
中野8位である。予選ではエンジンブローが多発していたが、ウォームアップ
の結果が良いだけに、エンジントラブルが起きないことを願うばかりだ。
意外だったのは、ベルガー15位、アレジ最下位とベネトン勢が不調になって
いること。今シーズンのベネトンはセッティングが難しく、なかなかドライバ
ーの思い通りに走ってくれないらしいが、ここでもその影響がでているのだろ
うか、、、
昨日、ダンロップコーナーでクラッシュしたモルビデリは決勝をキャンセルし
たようだ。決勝に出場するのは21台となってしまった。
- 記念セレモニーとドライバーズパレード
毎年のことだが、決勝日には記念セレモニーが開催される。三重県知事やJAF
の会長、FIA役員などが列席しているらしい。なにやら話しをしているが、
まともに聞いたことはない。
その後、クラシックカーによるドライバーズパレードが開催された。去年は
F1開催10周年を記念して開催されたのだが、このイベントは恒例になって
しまったのだろうか。さらに、去年はカーナンバー順だったが、今年はかなり
変則的になっていた。
去年もそうだったが、今年もF1ドライバーが自分で運転するケースがあった。
自分で運転していたのは、ディニスとハッキネンだった。ディニスは後方から
スタートしたのに、全車をゴボウ抜きにしてトップでメインストレートに戻っ
てきた。(^^;)
- シビックチャレンジカップ決勝
F1決勝の前にシビックの決勝が開催される。このレース、F1のサポートレ
ースとして開催されるようになって今年で10年目になるそうだが、『同じ人
物が2回優勝したことはない』のだそうだ。毎年それだけエキサイティングな
レースが展開されている証明でもある。
西コースから東コースまでペースカーに先導されて各マシンが登場する。1周
のフォーメーションラップの後、スタートとなる。ポールポジションの黒木選
手がスタートを決め、1コーナーをトップでクリアする。以下、西垣内、渡辺
と続いていく。
最初の2、3周は縦に長い隊列ができるが、やがてトップ6台の争いとそれ以
降の争いに分かれていった。6周目のシケインで西垣内が前走車に追突し、グ
ラベルに突っ込んでしまった。そのままリタイアとなる。最終ラップで、ヘア
ピンを抜けた辺りから200R、スプーン、バックストレート、130Rと黒
木、嶋村両選手が併走したまま走ってきた。コーナーではお互いの車をぶつけ
合う激しいバトルである。そのままシケインに飛び込んだが、両車とも絡んで
しまい、直後に付けていた渡辺選手が『漁父の利』で優勝をさらってしまった。
これで初めて2回目の優勝者が出ることとなった。
それにしても、今年のシビックカップも非常に見ごたえのあるレースだった。
- いよいよ、F1決勝
0:30、ピットロードがオープンされ、フリー走行が開始された。グリッド
はすでにメカニックたちが陣取っているので、周回を重ねる場合はピットロー
ドに入り、またピットアウトするという方法をとる。何台かのマシンはピット
アウト/ピットインを繰り返していた。
12:45頃には各車ダミーグリッドに並んでいた。メカニックは最終チェッ
クに余念がない。テレビクルーもグリッド上をウロウロしているのが見える。
天気は晴れ。スタンドでじっとしているとジリジリと肌が焼かれるような気が
するので、気温も、路面温度もかなり上がっていると考えていいだろう。ただ、
昨日に比べると風が強い。メインストレートではちょうど追い風になる。
- フォーメーションラップ〜スタート
13:00、フォーメーションラップのスタート。グリッド上の21台全部が
スタートしていった。ポールのビルニューブはかなりハイペースで引っ張って
いるように思えた。
バックストレートから130Rを抜けた隊列が戻ってくる。シケインをゆっく
りと曲がり、そのままストレートに猛ダッシュしてくる。いつもテレビで見て
いる光景がそのまま目の前で展開されている。
最後尾のM.サロがグリッドに静止して、全車整列。オールクリアーのグリー
ンフラッグが振られたところで、シグナルの赤信号が1つずつ点灯していく。
オールレッド…ブラックアウト!闘牛が解き放たれたかのように猛然と1コー
ナーを目指して進んでいく。ビルニューブがイン側のM.シューマッハを威嚇
する走りでトップをキープしている。以下、M.シューマッハ、ハッキネン、
フレンツェンと続いているようだ。
- レース序盤
2周目の逆バンクからダンロップにかけた登り区間でアーバインがハッキネン、
M.シューマッハをゴボウ抜きにして2位まで上がった。自分のスタンドから
逆バンクの立ち上がりが見えるが、『ん!?ブレーキをミスったか?』と思え
るようなアプローチだった。あそこで大外から攻めて前走車を抜いていくシー
ンは初めて見た。アーバインはビルニューブとの差をスルスルと詰めていって
しまった。
3周のシケインの飛び込みでインの締めが甘かったビルニューブに並びかけ、
一気に抜き去ってしまいました。驚きである。ビルニューブがアーバインを追
いかけるかと思っていたら、どんどん差が開いてしまい、7周目で12秒以上
も差が付いてしまった。アーバインも最初の数周は後続よりも速いラップを刻
んでいたようだが、その後は後続もタイムアップしてきた。しかし、その時点
ではすでに数十秒先を行っていることになり、差が縮まらない。シューマッハ
のチャンピオンがかかっているというのに、アーバインはこのまま逃げ切って
しまうつもりなんだろうか、、、アーバインの序盤のハイペースは3ストップ
作戦なんだろうか、、、それにしては12秒差まで開いてしまってから劇的に
差が開かなくなってしまった。それに、3ストップで燃料を軽めにしているの
なら、そろそろピットインしなければならないはずである。フェラーリの作戦
はどうなっているのだろう、、、
9周目に片山右京がスプーンで止まってしまった。鈴鹿ラストランはあっけな
く終ってしまった。後から分かったことだが、エンジントラブルだったそうだ。
今シーズンの右京を象徴するようなレースとなってしまった。
- レース中盤
13周目に意外にもハッキネンが最初のピットストップを行なった。アレジも
続いてピットインした。アーバインはまだ入ってこない。16周目にアーバイ
ンがピットイン。4位でレースに復帰した。18周目にM.シューマッハもピッ
トイン。しばらくの間はタイヤ交換で順位が目まぐるしく変化しそうである。
20周目あたりでビルニューブが1回目のピットイン。M.シューマッハとの
差は微妙な距離だったが、ピットアウトしたビルニューブがM.シューマッハ
をブロックしようとしたが、絶妙なコース取りでM.シューマッハが前に出た。
これでフェラーリの1−2体制が完成してしまった。
23周目(だったか?)にアーバインがメインストレートに戻ってきた時、アク
セルを踏んでないことに気がついた。『まさか、、、こいつシューマッハを待っ
ているのか!?』シューマッハとビルニューブがどんどんアーバインに近付い
ていく。逆バンクでシューマッハがアーバインをパス。アーバインはすかさず
全開走行に戻った。その後にはビルニューブ。ビルニューブは完全にフェラー
リ陣営に抑え込まれたことになる。アーバインはF3000で鈴鹿を走り込ん
でいてコースを熟知している。ミナルディとウィリアムズほどのマシン差があ
れば抜くのはたやすいのだろうが、相手がフェラーリではそうそうパスするこ
ともできない。
30周目、M.シューマッハとビルニューブとの差は約7秒と開いてしまった。
ビルニューブは2回目のピットストップを行なう。しかし、タイヤ交換(?)に
手間取ったようで13.4秒もかかってしまった。ビルニューブは7位でレー
スに復帰する。32周目にアーバインが先にピットインする。フレンツェンに
前に出られてしまい、3位でレースに復帰する。続く33周目。M.シュー
マッハがピットイン。フレンツェンに抜かれ2位で復帰した。これで、トップ
はフレンツェンとなるが、彼も37周目の2回目のピットストップでM.
シューマッハに抜かれ、2位でレースに戻る。
- レース終盤
M.シューマッハ、フレンツェン、アーバインのオーダーは変わらない。フレ
ンツェンが徐々にM.シューマッハとの差を詰め始めた。50周目あたりで、
トップのシューマッハがヒルを周回遅れにされるときに、M.シューマッハの
邪魔をしていた。シューマッハはステアリングを叩き、怒りをあらわにしてい
た。そのため、フレンツェンとの差が一気に縮まり1.109となってしまっ
た。
結局、M.シューマッハがそのまま逃げ切り優勝。以下、フレンツェン、アー
バイン、ハッキネン、ビルニューブ、アレジとなった。フレンツェンが2位入
賞、ビルニューブが5位入賞したことで、今シーズンのウィリアムズのコンス
トラクターチャンピオン獲得が決定した。ドライバーズタイトル争いはビル
ニューブ79、M.シューマッハ78となり、最終戦に持ち越された。
To be continued…
wake@yk.rim.or.jp