海辺でリゾート
Vol.4
- なぜ荷物がここにある?
JFK に到着し、飛行機が所定のスポットに入ると乗客の降機が始まる。
自分たちもその列に従って飛行機を降りる。トランジットだが、国内線
を使用するので、入国審査を受けなければならない。
入国審査場に到着したときはまだそんなに人は並んでいなかった。去年
とは大違いである。しばらく待っていたら、後ろが多くの人が並んでい
た。降りてきたタイミングが早かっただけのようだ。
入国審査では相変わらずディスパッチャーがいて、「○○ゲートに並ん
で」と指示される。自分たちの順番が来た。係員にパスポートを申請書
類を提示する。途中でコンピューターが止まってしまったようだった。
特に書類上の不備もないし、問題もなかったのですんなり通過。
手荷物受け取り場を通過しようとしたが、なんとなく気になったのでター
ンテーブルとその周辺を見てみたら、自分たちの荷物が並んでいた。一
瞬頭がパニックする。妻が JFK にいた ANA の係員に確認したところ、
JFK ではスルーで預けた荷物でも必ず乗客自身が受け取り、カウンター
で次の目的地まで預けなければならないそうだ。偶然だが、確認して大
正解だった。
- ターミナル 9 へ移動
ANA が到着するのがターミナル 3 。乗り継ぎのマイアミ行きが出発する
のはターミナル 9 。 Airline Connection と呼ばれる空港内連絡バスを
使ってターミナル 9 まで移動する。
ターミナルから出たところにバス停があり、ここで連絡バスに乗り込む。
連絡バスは各ターミナルを反時計周りに回っているので、ターミナル 9
は最後に到着することになる。
ちょうどバスが出たばかりのようで、しばらく待たなければならなかっ
た。 JFK の到着ロビーはたいてい地下 1 階にあるため、排気ガスが溜
まったり、ダクトの騒音などが響いてしまう。早く脱出したかったが、
なかなかバスが来なかった。
- チェックインカウンターはどこだ?
連絡バスに乗ってターミナル 9 を目指す。途中の駐車場に張ってあった
シートで気が付いたが、 JFK は今年で開港 50 周年を迎えるようだ。実
際、各エアラインの地上職員も 50 周年のバッチを付けていた。
そうこうしていると、連絡バスがターミナル 9 に到着した。同じ NH 10
便に乗っていた家族も同じターミナルで降りていた。このターミナル 9
は、チェックインカウンターだけでも A 〜 D までの 4 ブロックに分か
れていて、説明も何もないので、マイアミ行きがどこでチェックインでき
るのかがまったく分からなかった。
うろうろしていたら、「どこに行くの?」とアメリカ人に声をかけられた
ので、「マイアミ」と答えたら、すぐ目の前のカウンターで手続きできる
と教えてくれた。なぁんだとばかりにそのカウンターへ行くと係員がここ
ではなく、エリア A のカウンターだと言う。そこまで移動するが、係員が
ほとんどいない。なんとか空いているカウンターを見つけて「マイアミ行
きはここでチェックインできるのか?」と聞くと OK だという。そんなこ
んなで、ようやく次の飛行機のチケットを入手できた。
- 時間つぶし
チケットを入手したものの、現在は 12:30 。我々の搭乗する飛行機は 15:00
の出発だから、まだ 2 時間 30 分ほど時間がある。座ろうにも、ベンチが
ないので、座ることもできない。まさか床に座るのも嫌だったので、ター
ミナル 9 の探検だとばかりに端に向かって歩き始めた。一番端にはファー
ストフードの店が何軒があり、真ん中にはいすとテーブルがあり、食事が
できるようになっていた。よく見るとマクドナルドもあったので、そこで
飲み物を買って、休憩することにした。
- 甘い、甘い、アイスティー
アイスティーのスモールを 3 つ購入。テーブルにつく。アイスティーを飲
んだ瞬間、驚いた。とてつもなく甘いアイスティーだった。アップルティー
に更にシロップを入れたような味がした。こんなことならコーラか何かにし
ておけばよかった。
テーブルでたわいもない雑談や、これからの予定について話していた。いつ
までもここにいても仕方がないが、かといってベンチがないところでも困っ
てしまう。過去の経験から、搭乗ゲートの近くには必ずベンチがあるだろう
ということで、搭乗ゲートまで移動することにした。
- ボーイング 727
セキュリティチェックを抜け、搭乗ゲートの近くに行くとちゃんとベンチが
あった。そこのベンチに座って搭乗開始まで待つことにする。
今度のアメリカンエアラインのマイアミ行き 959 便はボーイング 727 が使
われている。正確にはボーイング 727-200 型らしい。日本では全日空が最
後まで使用していたが、大量輸送時代になると姿を消してしまった機体であ
る。自分としては、いまだに搭乗したことがない機体なので、どのようなも
のか楽しみでもあった。
しばらく待っていると、 727 が 20 番ゲートに入ってきた。やっぱり古い。
日本の空からはとうの昔に消えてしまった機体であるが、もしかすると日本
の空を飛んでいたかもしれないと思うと、わくわくしてしまった。
- 搭乗
しばらくすると搭乗開始となった。中型機なので、それほど中は広くないが、
3x3 の座席配置になっている。今回は 2 人と 1 人に分けられてしまった
ので、自分が 1 人で座ることにした。
この機体はマイアミからパナマまで行くようで、バカンスらしき人ばかりが
乗っていた。自分の隣には老夫婦が座った。後から聞いた話だが、フロリダ
に住んでいて、バカンスから帰ってきたようだ。
- またもやガキに悩まされる
通路を挟んだ隣に、日本で言えば小学生低学年くらいの男の子が座っていた。
座った途端に歌を歌い出した。しかも、同じフレーズを延々と繰り返してい
る。これにははっきりいって参ってしまった。しばらくすると静かになった
からいいようなものの、これがずっと続くと殴っていたかもしれない。
- 何を騒いでいる?
まもなく出発という時になって、 2 列前に座っている妻と母が窓の外を見
て何やら騒いでいる。特に気にしていなかったが、後から聞いた話だと自分
たちの荷物のうちの 2 つが後から台車に乗せられて運ばれてきたそうだ。
それは、機体の側に置かれてしまい、運んできた人間はそのままどこかに
行ってしまったらしい。それで「おいおい、そのまま放置かよ、、、」と
なっていたそうだ。結局、係員の手で無事に積み込まれたらしく、一安心
となったようだ。
- 爆睡する
離陸して、飲み物のサービスまでは起きていたが、その後は爆睡する。途
中何度か目が覚めたが、構わずそのまま寝てしまった。
去年の夏に JFK からトロントまで DC-9 を使ったが、あの時は座席が最後
列だったこともあり、エンジン音がかなりうるさかったが、今回の 727 の
機内はそれほどエンジン音が気にならない。おかげで気持ちがいいくらい
爆睡することができた。
どれくらい眠っていたのか分からないが、飛行機がだんだん高度を下げ始
めた。いよいよマイアミ到着だ。
もうちょっとで着陸という頃になって、隣に座っていた老夫婦から話しか
けられた。この飛行機はマイアミからパナマまで行くのだが、『パナマま
で行くの?』と言われたので、『いや、マイアミで乗り換えてジャマイカ
に行く。』と答えると、『良い休暇を。』と言われた。『あなたがたも』
と言うと、すでに休暇を終えて自宅に戻るところらしい。フロリダに自宅
があるというのがなんとなく羨ましかった。
To be continued...
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