- 快晴!
翌朝は見事な晴れだった。昨日は真っ暗闇で見ることができなかった周囲の
山々もはっきり見ることができた。やはり山頂には雪が積もっている。
ここでの朝食はおかゆだった。これがなかなか美味しい。塩シャケも付いて
いるが、シャケの塩味とちょうどマッチする。『普通のご飯もありますよ』
と勧められたが、おかゆで十分である。
- 目指せ、木曾駒!
朝食を終え、荷物をまとめて出発する。今日は木曾駒に行くのだ。ターミナ
ルの前で写真を撮って、出発。
昨日通ったR153を戻るのも良いが、それでは面白くないので、県道を使
うことにした。
駒ヶ根ICを通り過ぎ、ロープウェイへの連絡バス乗り場へ行く。
- 何か、おかしい、、、
バスがたくさん止まっているのだが、どうも様子がおかしい。『いくらオフ
シーズンとはいえ、こんなに観光客がいないものだろうか、、、』そんなこ
とを考えていたら、ある看板が目に入った。『…改修工事のため、平成9年
11月1日から平成10年10月31日まで運休とさせて頂きます。…』
なんと、木曾駒山頂には行くことができないではないか。今日1日の予定が
音を立てて崩れ去ってしまった。
- 行けるとこまで行ってやる
ここまで来てスゴスゴ帰るのは納得できないので、行けるところまで行くこ
とにした。橋を渡り、山の方に行くと『進入禁止』と書かれた看板があった。
一般人が立ちいることができるのはここまでらしい。黙ってロープウェイの
駅まで登ってやろうかとも思ったが、見つかったら面倒だと思ったので止め
ておいた。あまりに悔しいので、証拠写真を撮って引き返すことにした。
『運休のお知らせ』の看板を写したものと進入禁止の標識をバックに写し
たもの。車の左後ろに標識が見えている。
- さて、どうしよう、、、
さて、これからどうしよう、、、このまま帰るのはあまりにも悔し過ぎる。
しばし地図をニラメっこして考えた。
安房峠を越えることはできないが、近くまで行くことは可能なはずである。
中央道→長野道で松本ICまで戻り、そこから上高地か乗鞍高原に行こう。
早速行動開始である。
- 上高地への道
速攻で駒ヶ根ICから中央道に乗り、松本ICを目指す。月曜日の午前中
ということもあって、ほとんど車はいない。快調に走り、あっという間に
松本ICに到着した。ここからはR158を通り上高地に行くことになる。
R158も最初は普通の道路だったが、山に入った途端に小さなカーブと
トンネルが続く道に変貌する。道なりに走っているとクネクネしてしまう
ので、対向車がいないときはできる限りショートカットするようにした。
2つ目のダムを越える手前のトンネルの中には分岐があった。トンネルの
中で道が分岐しているのを見るのは初めてである。
- 行けるところまで行く 〜パート2〜
ダムを越えてさらに進むと道がどんどん悪くなってきた。途中のトンネル
の中で左前方でチカチカ光るものがあった。なんだろうと思ってハイビー
ムにしたら、人間だった。(--;)あやうく引き殺すところだった、、、
上高地は夏期になるとマイカー乗り入れ規制が実施されるが、そのための
駐車場が用意されていた。どうも、ここからシャトルバスに乗るようであ
る。
さらに進むと、トンネルの手前にゲートがあり、警備員が立っていた。停
止を命じられた。『どちらまで?』『行けるところまで。』『通行可能な
のはここまでです。』なんと、穂高も見えない山合いで引き返さなければ
ならなくなった、、、
- 行けるところまで行く 〜パート3〜
またしても途中で引き返すハメになってしまった。あまりにも悔しいので、
ここまで来たら乗鞍高原にも行くことにした。意地以外の何物でもない。
そうと決まれば、速攻で乗鞍への分岐点まで引き返す。乗鞍高原への道も
狭く、トンネルが続いている。
3つくらいトンネルを抜けると今度は急な登り坂になった。ヘアピンコー
ナーを立ち上がると、そこは乗鞍高原だった。ここもスキー場があるよう
だが、雪は全くない。不気味なスキー場があるだけである。天候も悪いの
で、観光客もいない。
ここでも行けるところまで行きたかったので、どんどん上を目指して登っ
て行く。しかし、ここでもゲートに阻まれてしまった。国民休暇村の建物
の先でゲートが閉まっており、来年4月まで通行できないようだ。
- 再び、雨が、、、
強行突破しても仕方ないのでここで引き返すことにした。乗鞍高原に来た
証拠写真を撮ってから下ることにした。
山を下る時は太陽を背するような格好になったが、ダブルの虹を見ること
ができた。綺麗に赤・橙・黄・緑・青・藍・紫が見えていた。なかなか珍
しいものを見ることができた。
- 地酒を仕入れる
山を下りたところに信州そばの店があったので、そこで昼食とした。その
後、松本ICに向かって走っていたら、酒屋が目に入った。まだ地酒を
買ってなかったので、ここで仕入れていくことにした。
店内にあったのは、『真澄』『大雪渓』などであった。どれにしようか
迷ったが、『大雪渓』の純米酒を1升と『あらしぼり真澄』とかいうも
のの小さい瓶を1つ購入した。
- 自宅へ直行
長野道松本ICから高速に乗る。あとは中央道に入り自宅に戻るだけであ
る。
- 後日談
通行止の嵐だったが、冷静に考えれば12月初で通行止になっているのは
至極当たり前のことである。よく命があったものだと思った。事実、我々
が帰ってきた翌日から金沢、中央アルプスは雪が降っていた。ニュースで
兼六園の積雪の様子を伝えているのを見たが、ほんの数日の差でここまで
違うものかと感じてしまった。
今度はもっと暖かい時期に行くことにしよう。木曾駒の山頂にも行かねば
なるまい。
End.