１１月２１日土曜日。その日、休日出勤していた。会社で仕事をしながら ふと窓の外を見ると、横浜のランドマークタワーやインターコンチネンタ ルホテルが見えた。
仕事を中断して景色を見ていたら、ふいに木曾に行きたくなってきた。去 年の同じ時期に木曾に行ったが、駒ヶ岳ロープウェイが改修工事中で千畳 敷カールまで行けなかったことを思い出した。
確か、運休期間は１９９８年１０月３１日までだったはずである。自分の ホームページの旅行記で確認したら、その通りだった。これを逃す手はな い。幸い、天気予報では明日も晴れだそうだ。だったら、早起きして木曾 駒に行こうじゃないの。
自宅に戻って妻に提案したら、了承された。こうして、突然明日のドライ ブが決定された。
５時３０分に目覚しが鳴る。シャワーを浴びて準備を整える。外はまだ薄 暗い。新聞配達をしているバイクの音だけが響いている。東の空がちょっ と明るくなっており、見事な朝焼けになっている。
港北ニュータウンからＲ２４６に抜け、大和市→相模原市を通って津久井 湖に抜ける。そのまま相模湖ＩＣから中央道に入る。ここに来るまで渋滞 も全くなく、順調そのもの。途中のコンビニで朝食を仕入れておく。
中央道に入っても渋滞は全くなかった。やや車が多くなるところもあった が、流れは順調そのものである。ちょうど良いペースで走ることができた ので八ヶ岳ＰＡまでノンストップで走り切ってしまった。この時点でまだ ８：００過ぎ。
トイレ休憩を済ませて出発する。ハイウェイカードがなくなりつつあった ので、諏訪湖ＳＡにも立ち寄る。ＳＡから諏訪湖が一望できるが、晴れ渡っ ていて、とても綺麗だった。
諏訪湖ＳＡからそのまま中央道を走る。左右には南北のアルプスが見えて いる。ここでも天気は晴れ。日頃の行ないのためだろう。
駒ヶ根ＩＣで中央道を降りる。ここから菅平のバスセンターまではすぐだ が、車にガソリンを入れておかなければならない。ＩＣからちょっと下っ たところに出光があるはずなので行ってみるが、日曜日なので閉まってい た。１年前の悪夢が甦る、、、、しかし、今回はまだ昼間なのでＩＣの目 の前のガソリンスタンドが営業していた。
ガソリン補給を済ませ、バスの出発点がある菅平を目指す。
ロープウェイの駅までは一般車両が登っていけないため、菅平か登山道の 入口でバスに乗り換えなければならない。去年見た感じでは、登山道入口 の駐車場は非常に狭かった記憶があるので、菅平の方に車を止める。
ここには有料の駐車場がある。しかし、入口に係員がいるわけでもなく、 『空いているところに勝手に止めてね』状態になっている。黙って止めて も分からないような気がした。
車を止めて、入口にある小さなログキャビンで往復のバス代、ロープウェ イ代と駐車場代を支払う。バス代とロープウェイ代で４０００円くらい だったと記憶している。
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| 手前が管理小屋。電柱と木の後ろに見える白いものがアルプス |
駐車場の前にバス停がある。すでに２０名ほどが並んでいた。バス停には 『菅平バスセンター』と書いてあるが、お世辞にもバスセンターと呼べる ほどのものではなかった。時刻表を見てみると、１０分ほどでバスが来る ようだ。
しばらくするとタイヤにチェーンを巻いたバスがやってきた。が、すでに ７０％ほどの乗車率である。バスが到着すると順番に乗り込んでいくが、 自分たちのちょっと前で満員となってしまった。これ以上は乗車できない ので、バスは出発してしまった。
一体どうなるんだろう、、、次のバスまで３０分ほど待たなきゃならない のか、、、と思っていたら、係員が臨時のバスが５分ほどで来るという。 ひと安心である。
今度はほとんど空車状態のバスがやってきた。最初の方で乗車できたので、 空いている座席は多かった。どこに座ろうかと考えたが、一番後ろの窓側 の席に座ることにした。
このバスも２００％ほどの乗車率になってしまった。一人でも多くの乗客 を乗せるために補助席は使わないで下さいというアナウンスが流れた。ぎゅ うぎゅう詰めの乗客を乗せて出発する。
自家用車が立ち入ることができるギリギリのところにも小さな駐車場があ るが、ここのバス停にも１０人ほどの人が待っていた。一応、バスは止ま るが、４、５人しか乗車できなかったようだ。
ここから先の道路は車一台がやっと通れるほどの広さしかなかった。道路 にはあまり雪がないものの、山肌には雪が積もっている。途中の道にはヘ アピンカーブの連続もあり、ＷＲＣのＳＳに使われそうな道になっている。
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| 車窓からの風景。あちこちに雪が積もっている。 | ||
３０分ほどバスに揺られ、ようやくロープウェイ駅に到着した。駅の前の 広場は一面雪に覆われている。
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| 我々が乗ってきたバス。広場には雪が積もっている。 |
一番後ろに乗っていたため、バスから降りたのは一番最後になってしまった。
外に出ると風が冷たい。ロープウェイの駅舎ではストーブが焚いてあった。
バスが到着してすぐにロープウェイがあったのだが、定員オーバーで乗るこ
とができなかった。
時刻表通りならば２０分ほど待たねばならないが、今日はお客さんが多いの
で、ピストン輸送をしているらしく、上から降りてきたらすぐに出発するそ
うだ。
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| まっすぐに伸びているロープウェイの軌道 |
しばらく時間があったので、ぐるりと見渡してみた。ここはリニューアル オープンしたばかりなので、駅舎は非常に綺麗である。ただ、内装はあまり なされていないため、寒さが直に伝わってくるような気がした。
しばらくすると改札が始まり、ホームに上がった。係員は人数を数えながら 改札している。ホームに上がると吹き付ける風が冷たい。じっと見ていると、 上からロープウェイが降りてきた。
まず先に上から降りてきた乗客を降ろす。一般の旅行客にまじって冬山登山 をしてきたと思われる人もいた。大きな荷物を抱えている。
全員が降りたところで我々が乗車する。なんとか窓側を確保した。外気温と 車内の温度にかなりの違いがあるためか、窓は一面曇っていた。やがて定員 一杯の乗客を乗せてロープウェイは出発する。
山肌は一面真っ白。途中、絶壁になっているところには大きなつららができ ていた。かなりぎりぎりのところを通過する場所もあり、なかなかスリリン グである。ちょうど中間点で上から降りてきたロープウェイとすれ違うが、 あっという間にすれ違ってしまった。ふいに物理の『相対速度』の授業を思 い出してしまった。
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