イスラエル見聞録
その2
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- 長い待ち時間
免税店に用事はないので、そのまま素通りして A63 搭乗ゲートに向かう。
ボーディングタイムは 10 時 50 分となっているが、今はまだ 9 時 00 分。
先は長い。まだ A63 ゲートには使用する機材すら到着していない。他に行く
ところもないので、ひたすらベンチに座って待つことにする。
しばらくすると、テクノジャンボがやってきた。どこかからの到着便のようだ。
これがそのままロンドン行きとなるようだ。グランドクルーが忙しく動き回っ
ている。
- 忘れ物
ベンチに座ってボーッとしていたら、メモ帳をスーツケースに中に入れたまま
にしていることに気がついた。他に代用できそうなノートも持っていなかった
ので、売店でメモ帳を購入する。ついでに、ホールズがあったので、それも購
入した。
- エンジン点検?
またベンチに座ってぼーっと外を眺めていた。しばらくすると第 1 エンジンの
カバーを開け、作業員がエンジンを点検していた。自分がこれから搭乗する飛行
機がいきなりエンジン点検を始めるというのは、なんだか心配になってしまう。
しばらくすると、エンジンの試運転を始めた。かなり回転を上げているようだ。
なんだか穏やかじゃない。搭乗直前に目の前で試運転までやられてしまうとかな
り心配になる。
- やはり日本人乗客が多い
最初は閑散としていたロビーも出発時刻が近付くに連れて人が増えてきた。去年
の夏のニューヨーク線に比べると外国人乗客も多い。もっとも、前回は夏休み初
日で、みんなが一斉に国外脱出を計った日でもあるので、単純に比較することは
できない。
あまり乗客は多くなさそうである。
- 今回もビジネスクラスの境界に近い
今回は 30H というシートになる。通路側になっているのは予約の段階で自分が
希望したためである。
なぜ通路側を希望したかと言うと、『ロンドンまで 11 時間以上のフライトにな
るわけだから、その間には当然トイレにも行きたくなるはずである。窓側だとど
うしても通路側の人に席を立って貰わなければならない。回数が少なければ良い
が、回数が多くなると通路側の人も迷惑だろう。だったら、いっそのこと自分が
通路側になっていれば、気を使う必要もない。』という理由からである。そのた
め、今回の出張での座席は全て通路側になっている。
ところが、実際に搭乗してみると、座席にはかなり空きがあった。自分の座席は
3 列シートの通路側だったが、窓側に 1 人座っただけで、隣に乗客が来ること
はなかった。中には、 3 列シートを 1 人で使っている人もいた。ちょっと損を
した気分になった。
ところで、今回もビジネスクラスとの境界のすぐそばであった。やはり悔しい気
持ちになってしまった。
- 機内サービス
搭乗したら、まずおしぼりが配られる。これが結構ありがたい。外国のエアライ
ンでは、まずこのサービスは見られない。
次に、ドリンクのサービス。今回は前回の反省から、アルコールは一切オーダー
しないことにする。しばらく飲むことができなくなるウーロン茶をオーダーする。
おつまみであられのようなものが出てきた。
それが終ると食事である。エコノミークラスはメインを 2 種類の中から選択で
きるが、今回は中華丼があったので、そちらを選択する。これもしばらくは口
にすることができないメニューの一つである。

行きの機内食
- 常に昼間
北米路線だと、日本からのフライトでは必ず真夜中の部分があるのだが、ヨー
ロッパ線だと常に昼間の部分を飛んでいる。暗くなってくれないとどうも眠気
が来ない。時々うたた寝はするものの、熟睡するほどではなかった。
機内での映画は『ゲーム』と『フラバー』だったが、両方ともしっかり見てし
まった。『ゲーム』は非常に面白かった。演出も凝っているが、なによりもス
トーリーの妙に感動した。
- ヨーロッパが近付いてくる
今回の機内でも『スカイマップ』により現在地が把握できるようになっている。
2 本の映画を見終ったら、ロシアの上空を飛んでいた。窓から一面真っ白な大
地が見えた。 5 月とはいえ、ロシアはまだまだ雪が多く残っているようだ。
やがて、『スカイマップ』にワルシャワやヘルシンキ、ベルリン、コペンハー
ゲンなどのヨーロッパの都市が表示されるようになってきた。いよいよヨーロッ
パである。
日本時間では夜中の 21 時頃になるため、眠気が来ても良いようなものだが、
眠気はほとんど感じなかった。逆に、ヒースローから先の行程の方が不安で、
どんどんハイになっていってしまった。
- ロンドンに到着
北海上空を飛んで、フランスを左側に見ながらイギリスへと進入していく。
窓の下にはドーバー海峡がある。ロンドンは晴れているようだ。
ロンドン市街の上空を飛びながら、ヒースロー空港に着陸した。着陸の瞬間
はうたた寝をしていて、ちゃんと見ていなかった。着陸した時の衝撃で目が
覚めて、『あっ、、、着陸したんだ』と思ったほどである。
- 本当の試練
ANA の機内は圧倒的に日本人が多く、日本と同じような場所だが、ここから先
は正真正銘の外国である。もちろん、日本語が通じることはまずない。前回の
ようなパッケージツアーなら、添乗員さんが面倒をみてくれたが、今回は全て
自分一人で進んでいかねばならない。
- ターミナル 4 へ移動
日本を出発する前はヒースローでの待ち時間が 7 時間ほどあるので、イギリ
スに入国して観光でも楽しもうかと思っていたが、余計なことをすると迷子
になるかもしれないと考え、イギリスへは入国せず、ひたすらターミナルで
待つことにした。
まずは、テルアビブ行きのブリティシュエアウェイズに乗り換えなければなら
ない。テルアビブ行きはターミナル 4 から出発している。ヒースロー空港の
場合、国際線の乗り継ぎだと連絡バスを使ってターミナルを移動できる。空港
内にある「Flight Connections」という表示に従って進めば良い。
ANA が到着したターミナル 3 からターミナル 4 への移動は連絡バスを使う。
ヒースロー空港には他にもターミナル 1 とターミナル 2 がある。航空会社に
よって使用するターミナルが異なるので、事前にチェックしておく方が良い。
ターミナル 3 からターミナル 1 とターミナル 2 へ向かう連絡バスは 5 分お
きに出ているが、ターミナル 4 行きは 15 分おきになっているようだ。しばら
く待っていると連絡バスがやってきた。
- ヒースロー空港も広い
連絡バスはそれほど大きくなく、 4, 50 名ほどが乗り込めば満員になってしま
うくらいである。一緒に乗り合わせたのは 5 名だけ。
空港の中を縫うようにして道路が走っている。バスはそこを走っていく。世界
中のあらゆる航空会社が乗り入れているようだ。ヒースロー空港からはニュー
ヨーク行きのコンコルドが出発していたように記憶しているが、コンコルドは
見当たらなかった。
空港の平面図などは見たことがないので推測だが、ヒースロー空港はかなり広
い空港のようだ。 1 つの方向に並行して最低でも 2 本の滑走路が走っている
ようだし、横風用の滑走路も備えているようだ。ターミナルも 4 つ持っている
し、駐機スペースも広いように見えた。しかも、ロンドン市内からは地下鉄を
使うと 40 分ほど。
やはり、「ハブ空港」と名乗るからにはこれくらいの規模がなければならない
のだろう。しかも、この規模の空港を持っていればそれによる経済効果もかな
りの額になると思われる。
日本の玄関は成田だが、すでに離着陸のキャパシティは限界に来ていると聞く。
未だに滑走路も 1 本だけ。航空貨物の取り扱い量はダントツで世界 1 位だが、
旅客はベスト 10 に入るかどうかだったように記憶している。なんとか成田空
港も規模を広げて、「アジアのハブ空港」となって欲しいものだ。
- 長い長〜〜〜い待ち時間
ヒースロー空港の中を 15 分ほど走ったらターミナル 4 に到着した。ここでも
「Flight Connections」の表示に従って進む。しばらく歩くとセキュリティ
チェックがあり、その先に航空会社のカウンターがあった。ここで搭乗手続きを
済ませ、チケットを受けとる。チケットには出発時刻は 22:40 、搭乗時刻は
21:50 と記入されていた。このチケットを受けとった時の時間は 16 時、、、
意識が遠のきそうなくらい長い時間が待っている。
To Be Continued…
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