イスラエル見聞録
その5
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- 意外なところに日本人が、、、
目が覚めたら 20 時。慌てて準備を整えてロビーに急ぐ。ロビーに行くとすで
に相手は到着していた。驚いたことに、ヨラムの彼女は日本人だった。名前は
『ひろこ』というそうだ。自分が日本人であるからかどうかはわからないが、
今回も一緒に来ていた。これは非常にありがたい配慮だった。少なくとも、ヘ
ブライ語で悩むことはないと思われるからである。
挨拶もそこそこに、ヨラムの車で食事に出かけることになった。
- 盗難防止装置が作動
ヨラムの車に乗り込むと、急にアラーム音が鳴り出した。ドアのキーを開けて
から一定時間以内にエンジンを始動しないと盗難防止装置が作動してしまうら
しい。
テルアビブでは車に盗難防止装置を付けるのは当たり前になっているようで、
この装置を付けていない場合は盗難保険がおりないそうだ。かなりけたたまし
いアラームが鳴るが、それでも車は盗難されてしまうらしい。
- 何を食べに行くか
さて、問題は『何を食べに行くか』である。ヨラムには『何か食べたいものは
ある?』と聞かれたが、イスラエルの料理ははっきりいって良く分からない。
なので、『良く分からないので、お任せします。』と答えてしまった。ヨラム
はしばらく悩んでいたが、『シーフードは好き?』と聞かれたので、『もちろ
ん、好きさ』と答えた。結局、今日はシーフードのレストランに行くことに
なった。
事前にガイドブックを読んだ限りでは、テルアビブのシーフードレストランは
新鮮な魚が多く、おいしいと聞いていたので楽しみである。
- Old Jaffa へ行く
ヨラムの車でハルヤコン通りを南(?)へ下っていく。テルアビブの中心街はかな
り人通りが多い。ビーチを散歩しているカップルも結構いたような気がする。
目指すレストランは Jaffa と呼ばれる場所にあった。ここには、 Old Jaffa と
いう場所があり、古い石畳の町並みと、迷路のように入り組んだ道路が特徴に
なっているそうだ。
- シーフードレストラン
まずは、食事である。テルアビブ市内にあった他のレストランもそうだったが、
必ず店の前にオープンスペースがあり、そこでも食事ができるようになってい
る場合が多い。自分が行った店も、店の前にオープンスペースがあり、そこで
食事をできるようになっている。
隣にもシーフードレストランがあるのだが、こちらの方は全くお客がいなかっ
た。聞いたところでは、最近開店したばかりなのだそうだが、評判が良くない
らしく、さっぱりお客さんが入らないのだそうだ。
今回、我々は店の中のテーブルに付くことになった。飲み物を何にするか聞か
れたので、せっかくだからビールを注文することにした。ヨラムはあまりアル
コールに強くないようで、彼女とシェアするそうだ。
- メインをどうする?
肝心のメインディッシュが決まらない。というよりは、決められない。一応、
英語のメニューを貰ったのだが、メニューに書いてあるのがどんな魚なのか皆
目検討もつかない。自分が唯一わかったのは、ノルウエーサーモンだけであ
る。そういう状況なので、前菜など選択できるはずもなかった。
というわけで、ヨラムに前菜の選択は任せることにした。彼はなにやら注文し
ていた。自分はメインにノルウエーサーモンのマスタード風味のようなものを
注文した。このマスタードは甘いんだそうだ。ヨラムは同じノルウエーサーモ
ンのオレンジ風味。彼女は(あとからわかったんだが)マスを頼んだ。
- プレゼントを貰う
料理の注文を終えると、ヨラムとひろこさんがプレゼントをくれた。開けてみ
ると、イスラエルのことを紹介した写真集のような大きな本だった。しかも、
日本語版である。これには感激してしまった。その本はちゃんと日本に持って
帰ってきて、自宅の本棚にしまってある。
- 謎の前菜
前菜にはチーズの盛り合わせのようなものが出てきたが、食べてみると非常に
すっぱい。思い出しただけでもヨダレが出てきそうなくらいすっぱいチーズ
だった。逆に、パンに付いてきたアンチョビーのペーストは非常に辛い。なん
だか両極端である。
- メイン料理に舌鼓を打つ
メインのサーモンは非常においしかった。マスタードもほどよい甘さで、なか
なか秀逸である。ただ、残念なのは、ビールのせいかどうかはわからないが、
途中でお腹一杯になってしまって、全部食べきれなかったことである。非常に
惜しいことをした。
ひろこさんのマスもなかなかタンパクな味で美味しい。思わず『ご飯と醤油が
欲しい』と言ったら笑っていた。
- ヨラムは、日本食好き
ご飯と醤油の話しから、日本食の話しになった。聞けば、ヨラムは巻き寿司に
凝っていて、会社の壁に自分で作った巻き寿司の写真を飾っているんだそうだ。
最初はひろこさんがヨラムに巻き寿司を教えたらしい。不思議なユダヤ人であ
る。
- Old Jaffa 散策
食事の後、 Old Jaffa の中を散歩することになった。ここには芸術家が多く住
んでいるらしく、劇場や美術品などを売っている店が多いようだった。中には
教会も立っていて、歴史的な息吹を感じることができる。
Old Jaffa の中に、非常に変わった木があった。石の上部が半分に裂けていて、
そこから木が生えている。そして、その木はワイヤーで釣り上げられていた。
非常に珍しいと思ったが、カメラを持ってきていたなかった。これまた非常に
悔しい思いをしてしまった。
途中に石碑が立っていた。最初に Jaffa に人が住み始めたのは紀元前になるよ
うだ。もちろん、当時のままの面影を残しているわけではないだろうが、古い
町並みがそのまま残されているのは羨ましい。日本だと、どうしても近代化さ
れてしまう傾向があるように思う。
現在でも Old Jaffa で暮らしている人がいるが、新規に暮らすには住民組合の
承認が必要だったりして手続きが大変なのだそうだ。そして、なにより大変なの
が、家賃の高さのようだ。実際の値段は聞かなかったが、テルアビブ市内の相場
よりもかなり高いそうだ。
Old Jaffa 自体が海辺の小高い丘にあるため、テルアビブ市街が一望できる。
夜景が非常に綺麗だった。眼下には地中海が広がっている。テルアビブの町並み
は時代と共に変化しているのだろうが、地中海の波音だけは昔と変わらないのだ
ろう。
- 長い1日の終り
その後、ヨラムの車でホテルまで送ってもらった。ホテルに到着したのは
23:00を回っていた。部屋に戻ったら速攻で寝てしまった。
非常に長い1日が終わった。
To Be Continued…
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