イスラエル見聞録
その6
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- いつもと変わらぬ起床時間
午前 6 時 30 分頃に起床。日本にいる時と全く変わらない。シャワーを浴びて
着替えを済ませる。しばらくは CNN を見ていた。イスラエル和平交渉のニュー
スがあったが、詳細は理解できなかった。なぜ理解できないかって?それは全て
英語だからです。
- 朝食を食べに行くが、、、
7 時 30 分頃に朝食を食べに行く。一応、アメリカンブレックファーストを期
待していたのだが、ここにはそのようなものはなかった。
得体の知れないものが多くならんでいる(失礼)ので、何を食べてよいやらさっ
ぱり分からなかった。かといって、何も食べないわけにはいかないので、パン
と生野菜を少々。それにコーヒーという組み合わせにした。ここにいると健康
になれるかもしれない。
ただ、コーヒーを頼んだら、ドリップタイプのもので、そのままお湯を注がれ
て持ってこられたのには参ってしまった。コーヒーサーバーにコーヒーが入れ
てあって、そこからカップに注がれるものだとばかり思っていたので、またし
ても意表を突かれてしまった。
また、オレンジジュースと水があったが、水の中にはレモンがしぼってあり、
レモン水みたいなものだった。ただし、あまりレモンの味はしなかった。
- 訪問先の会社へ向かう
8 時 50 分にロビーに降りる。ホテルの前にはすでにベルナルドさんのタクシー
が到着していた。軽く挨拶をして、タクシーに乗り込み出発する。
途中の道沿いに、サッカー場やバスケットボールのコート、テニスコートがた
くさんあった。テルアビブで一番大きな公園で、ここの施設は無料で開放され
ているそうだ。羨ましい限りである。
日本ではこのようなスペースでは必ずと言っていいほど、金を取られてしまう
だろう。
- 工業団地の中へ
20 分ほど走ったところに目指す Atidium Technological Park があった。こ
こには訪問先の会社以外にも多くの会社があり、工業団地を形成している。
といっても、日本の工業団地のように工場があるのではなく、ビルが建ち並
んでいてオフィス街のようになっている。まだ建設中のビルもあるようだ。
いくつかあるビルの中の 1 号棟に訪問する会社がある。エレベーターで 4
階まで上がると、そこにオフィスがあった。
- 外国のオフィス
外国の企業のオフィスを見るのは初めてである。基本的に、個人の机は完全
に独立した空間になっている。偉くなると個室が与えられるようだ。『偉い』
といっても、日本のように取締役などではなく、部長クラスはほとんど個室
を持っている。
服装もまちまちで、『スーツにネクタイ』などという人はまず見当たらない。
4 日間オフィスに通ったが、唯一 1 人だけがある日だけ『スーツにネクタイ』
だった。それ以外は管理職であっても、ジーパンにポロシャツだったりする。
また、個人の仕事の空間が独立しているので、ラジカセで音楽を聞きながら
仕事をしている人もいた。
- 昼食へ行く
昼ご飯は、オフィスの受付のカウンターで食券のようなものをもらい、近く
のカフェテリア形式になっている社員食堂のようなところで食事をすること
になっているようだ。
今日は、常に自分の相手をしてくれている人と、そのボスとで一緒に行くこ
とになった。食堂までは 15 分ほど歩く。ボスは「新鮮な空気を吸って、体を
リフレッシュするのさ。」と言っていた。
食堂はカフェテリアスタイルで、ごく一般的な料理が並んでいた。ぱっとみた
ところ、一番あたりさわりのなさそうな鶏肉のカツレツを選んだ。あとは、イ
ンド料理のナンのようなパンとサラダを少々。それに、名前は忘れてしまった
が、まめをすりつぶしてペースト状にしたものを試してみた。あと、アイスク
リームもあったが、ちょっと食傷気味だったので、避けた。
- 恐ろしいタクシー
とりあえず、 1 日目はなんとか終了した。必要最低限のことは質問し、逆に
質問されたことには回答できたような気がする。あくまでも、気がするだけで、
本当に回答できていたかは謎である。
ホテルに戻るためにタクシーを呼んでもらったのだが、運転手はやけに怒って
いる(ように見える)。理由はよく分からない。運転も非常に荒っぽい。 3 回ほ
ど神に祈りをささげた。
おまけに、ハンドフリーにはなっているが、運転しながら携帯電話を使ってど
こかに電話をかけ、その上口論(らしきもの)を始めてしまった。正直言って、
勘弁して欲しかった。ただ、相手はヘブライ語でしゃべっているので、口論を
していたのかどうかは分からない。
相手の言葉が分からないと例えようもなく不安になってしまうのだということ
が分かった。
なんとか無事にホテルまで到着した。生きた心地がしなかったとはこのような
ことを言うんだろう。冗談抜きでこのまま日本に帰りたいと思った。
- ジャパニーズレストランへ行く
タクシーの恐怖から解放されて、なんとか気持ちを落ち着ける。 19 時近くに
なり、暗くなる前に食事に行きたかったので、ホテルの近くの日本食のレスト
ランに行った。その名も『焼き物カフェ』という。
ここは、ホテルから歩いて 5 分くらいのところにある。日本人スタッフはい
なかったが、入るなり『ようこそ。いらっしゃいませ。』とユダヤ人に日本語
で話しかけられた。
席に案内され、メニューを渡された。「本日のおすすめ」にはマグロの刺身や
鯛の刺身などが並んでいた。寿司にしようかとも思ったが、親子丼という文字
が目に入ったので、親子丼を注文した。飲み物を聞きに来たので、「何があ
る?」と聞いたら、「ビール、お茶、、、」と言ったので「お茶!」。
これが、驚くことにちゃんとした番茶だった。陶器のきゅうすのようなものに
入れられている。
カウンターには東南アジア系の若い男性が立っている。後ろの壁には寿司のネ
タがひらがなで書かれている。その妙なバランスに思わず笑ってしまった。
- イスラエルの親子丼
しばらくお茶を飲んでいると、親子丼がやってきた。ちゃんと「いただきます」
をやってから食べ始める。あまり味には期待していなかったのだが、驚くこと
に、うす味になっていて、非常においしい。ダシの味と卵、鳥肉、たまねぎが
絶妙なハーモニーを出している。
「日本でもそう滅多に食べられない」と思えるくらい美味しい親子丼だった。
まぁ、後になって冷静に考えれば、初めての海外出張で精神的に参っている所
に自分の好物のドンブリ物が出てきて、その味が自分の好みに合っていただけ
で、ことさらに感動するほどのものではなかったのかもしれない。しかし、こ
の親子丼は精神的にも、肉体的にも、自分を復活させる起爆剤となったことだ
けは疑いようのない事実である。
あっさりしたものを食べることができて良かった。やはり、油っこいものはど
うも自分には合わない。
- 早々に就寝
夕食を終えて部屋に戻ると 20:30 くらいになっていた。とても眠かったので、
21:30 には寝てしまったような気がする。いつ頃寝たのかははっきり覚えてい
ない。
To Be Continued…
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