イスラエル見聞録
その7
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- 早朝に目覚める
昨夜早めに寝たせいか、目覚めは早かった。 4:00 過ぎに一度目が覚め、再び
寝たが 5:00 過ぎには完全に目が覚めてしまった。これ以上は眠れないと思っ
たので、起きて PC に向かうことにした。
窓から外を見たが、まだ薄暗い。日の出まではもう少し時間があるようだ。
遠くに見える道路にはあまり車は走っていない。ただ、全く走っていないわけ
ではなく、時折ヘッドライトが移動しているのが見える。
- 朝食に変化が、、、
2 時間ほどノートパソコンで遊んでいた。やがて、 7:00 を回ったのでシャワー
を浴びて着替えを済ませ、朝食を取りに行く。
今日はスクランブルエッグがあった。非常にありがたい。あとは、パンとサラ
ダとオレンジジュース。今日もコーヒーを頼む。
昨日はあまり人がいなかったが、今日は 5 〜 6 人が朝食を取っている。ほと
んどは白人だが、数名だけアジア系の人がいた。ぱっと見ただけでは日本人な
のかは判断できなかった。
- イスラエルの車について
昨日と同じくらいの時間にホテルの前に出たが、今日はベルナルドさんのタク
シーがいない。どうやら、道路が混雑していたようで、 9:10 頃に現れた。昨
日のことがあったので、他のタクシーに乗るのは嫌だったので、正直ほっとし
た。
今日はベルナルドさんと車の話で盛り上がった。現状で、イスラエルでは
50 〜 60% くらいは日本車なんだそうだ。その中でも多いのは三菱、スバル、
トヨタだそうだ。特に、スバルはその昔唯一イスラエルで購入できる車だった
そうで、いまでも根強い人気を保っているんだそうだ。
- 最高の笑顔
さて、昨日と同じく訪問先のオフィスがあるビルに到着し、 4 階に上がる。当
たり前だが、昨日と同じメンバーがオフィスにいる。
彼、彼女らを見ていて気が付いたのだが、こちらが挨拶すると、必ず最高の笑
顔で挨拶を返してくれる。さすがに電話をしている時などは無理だが、端末を
打っている時でも、必ず笑顔で挨拶をしてくれる。これは是非見習いたい所で
ある。
- 本日の昼食は、、、
今日も受付でチケットを貰って食事に行く。今日は昨日と違う食堂に行った。
とあるビルの地下 1 階にある食堂だが、ここには中華風のメインがあった。
メインは 2 種類を選択できるようで、鳥のカラアゲ(らしきもの)と酢豚(らし
きもの)を選択。あとは、付け合わせのパスタを少々とサラダ、パンである。
中華風というのが嬉しい。昨日の夜に日本食を食べたせいか、異常なまでに日
本食、もしくは、それに近い食事に飢えているようだ。
- 夕食に招待される
今日は、訪問先のボス、 Larry Leibson 氏に晩御飯に誘われている。仕事が終
わってから Larry 氏の車で食事に出かけた。何が食べたいかと聞かれて、悩ん
でいたら、シーフードの店に行こうと言われた。シーフードは嫌いではなかった
ので、賛成した。
初日もそうだったが、今回もシーフードの店に行くことになった。やはり、シー
フードは有名なのかもしれない。
- 一番苦労しているのは?
彼の車の中でいろいろと話をしたが、彼はピッツバーグ大学の出身で、なんと情
報科学を専攻していたそうだ。
『今回の出張で一番苦労しているのは何?』と聞かれたので、『英会話さ。』と
答えた。妙に受けてしまったようだ。彼自身、アメリカからイスラエルに来てい
るので、最初はヘブライ語でかなり苦労したらしい。『語学なんて、慣れさ。』
と言われてしまった。
- 人気の店のようだが店名が分からない
さて、目的のシーフードの店はハイゼリア(Herzelia)という所にあった。肝心の
お店の名前はヘブライ語と英語がチャンポンで書かれており、どれが名前なのか
さっぱり分からなかった。
Larry から聞いた話によると、このお店はかなり有名なようで、あちこちの席が
予約席になっていた。 4 人くらいになると予約無しでは入れないそうだ。こち
らは 2 人だったので、なんとか席に付くことができた。
まず、前菜のような感じでチーズやツナなどと一緒にフランスパンが出てきた。
これらをパンに付けて食べる。中には、「え!?」と思うような味がするものも
あったが、基本的にはどれも美味しいものだった。
しばらくするとメインを何にするかを聞きに来た。いろいろと名前を出された
が、まったく分からなかったので、唯一理解できた「海老」のバターソース炒
め(とでも言うんだろうか)を注文した。 Larry は何かの魚のから揚げを注文し
ていた。
- やっぱり、会話には苦労する
食事中でも、いろいろな話しをするが、やはり会話にはかなり苦労する。 Larry
もその辺りは心得てくれていて、ゆっくり、はっきりと喋ってくれた。たまに
頓珍漢な答えを返していたかもしれない。
食事を終えてお腹もいっぱいになったところで、店を出る。外はすっかり暗く
なっていた。
- 買い物をする
ホテルへの帰り道の途中で、 Larry がショッピングモールに寄り道してくれた。
食事に行くまでの車の中で「妻にディパックのようなかばんを買ってやりたい」
と言っていたのを覚えていてくれたようだ。
テルアビブ大学の近くにある大きなショッピングモールに寄り道する。入口には
警備員がいて、バックの中をチェックしていた。自分もウエストバッグを開ける
ように言われた。
まずはモールの 1 階にあるいくつかの店を見て回った。 A4 サイズのバッグが
欲しいのだが、なかなか手頃な大きさのものが見つからない。必ず A4 の書類を
入れるには小さいか、B4 でも入りそうな大きいものかのいずれかである。
いくつかの店を回って、やっと手ごろな大きさのかばんを見つけることができ
た。ちょうど A4 サイズくらいの大きさで、作りはかなり丈夫そうだった。帰
国した後で気がついたのだが、内側もちゃんとした布でカバーされていて、中
ポケットもついていた。
イスラエルでは VAT という付加価値税を取られる。観光客の場合、この VAT は
出国時に返還されるようだ。ちなみに、計算書によると 119NIS ほど戻ってくる
らしい。 1NIS = 35 円ほどのようなので、 4000 円近くが戻ってくる計算にな
る。
- 1 つ別れの挨拶を覚える
ショッピングモールを出て、ホテルの前まで送ってもらった。別れ際に、『今日
はどうもありがとうございました。』といったら、『No, no. It's my pleasure!』
と答えてくれた。普通は『 You're welcome.』などと返事をするのが一般的なの
だと思っていたが、 Larry のような返事も良いものだと思った。
- ソファに横になったが、、、
部屋に戻ってから日本へ電話をかけようと思ったが、テルアビブは 21 時 30
分なので、日本はまだ 4 時 30 分となる。さすがにこの時間に電話をすると
まずい。テレビを見ながらソファに横になっていたが、そのまま寝てしまった。
気が付いたら、朝の 3:00 だった。
再びベットに入り、そのまま朝まで眠った。
- 3 日目の朝
いつもと同じように 6 時頃に目が覚めた。ソファに座ってテレビを見ながらし
ばらくぼけーっとしていた。意識が覚醒してきたところで、パソコンに向かう。
見聞録を整理していたが、しばらくすると飽きてしまった。時間を潰すためにマ
インスイーパをやっていた。
7 時近くになったところで、いつものようにシャワーを浴び、着替えを済ませ
る。そして、食事へ。今日もスクランブルエッグとサラダ、パン。今日はコー
ヒーではなく、紅茶にしたが、カップにお湯が注がれていて、ソーサーにティー
バッグが置いてあった。なんとも味気ない。
今日もいつものようにベルナルドさんがホテルまで迎えに来てくれた。今日で
3 日目なので、オフィスまでの道も覚えてしまった。
- 予定変更
本来なら、オフィスに来るのは今日が最後で明日はエルサレム観光に行くことに
なっていた。しかし、予定していた仕事が終らないので、午後になって予定を変
更したい旨を告げた。
エルサレム観光は訪問先の人が手配してくれたので、キャンセルしてもらうこと
にしたのだが、結構大変だったようだ。
エルサレムにも行ってみたかったが、今回は仕事で来ているので、観光は次回に
することにした。かえってその方がすっきりする。
- 夕食を食べに行く
結局、今日はオフィスに 20 時近くまで残っていた。今回の訪問でいつも自分の
面倒を見てくれている、ヨラムが一緒に食事に行こうと誘ってくれた。 Yoramm
の彼女、ひろこさんと一緒に Japanese Restaulant に連れていってくれるそう
だ。途中でひろこさんをピックアップして食事に行く。
- 昨日と同じ場所だ
Yoramm の車はフリーウェイに入り、どんどん北上していく。昨夜通った道と同
じである。同じ出口でフリーウェイを降りた。なんだか嫌な予感がする。
なんと、目指すレストランは、昨日 Larry と一緒に食事に行ったレストランの
すぐ近くにあった。目指すお店は Japanese Restaulant 「 Takamaru 」。この
お店はイスラエル内にいくつか支店を持っているそうだ。実際、テルアビブ市内
に支店があるのはガイドブックで知っていた。
このお店のトレードマークは日本にある超有名百貨店のものに非常に良く似てい
た。日本国内であれば、意匠使用権の差し止め裁判が起こされるのではないかと
思うほど良く似ていた。
- イスラエルにいるとは思えない雰囲気
ジャパニーズレストランというくらいなので、お店の中もどことなく日本的な雰
囲気になっている。 Yoramm はメニューを見てもよく分からないので、自分とひ
ろこさんが相談して決めてしまった。
今日は Sushi-Combination (にぎり寿司の盛り合わせ)と Teppan-Yaki(鉄板焼)、
Tempura (てんぷら)を注文した。飲み物はもちろん日本茶である。
ところが、日本茶もお金を取られることがわかった。 11NIS なので、約 300 円
くらい。『日本じゃお茶はタダだ』と言ったら、 Yoramm は驚いていた。
巻き寿司に凝っている Yoramm はキッコーマン醤油がお気に入りらしい。お店に
あった醤油は「Kikkoman」であった。ただ、シンガポール製のようだった。
- 日本食を堪能する、パート 2
しばらくすると料理が運ばれてきた。この店の寿司は、シャリがちょっとねばね
ばしていた。ネタもあまり新鮮だとは感じなかった。鉄板焼にはなぜかイカと海
老の天ぷらも添えられており、牛肉や野菜類もあるが、すでに冷めていた。鉄板
焼はその熱さが重要なのに、机に運ばれてきたときに冷めているなどとは、日本
食のなんたるかを分かっていない証拠である。天ぷらも同様で、運ばれてきた時
には完全に冷めていた。残念ながら、お世辞にも美味しいとは言えなかった。
- なぜ、ユダヤ人は箸をうまく使うのか?
目の前に座っている Yoramm もそうだが、隣のテーブルで食事を取っていたユダ
ヤ人が上手にお箸を使っているのを見ると、なんだか複雑な気分になってしまっ
た。 Yoramm がユダヤ人であることを疑いたくなってしまった。
『お箸』はアジア、特に、日本、中国、韓国が中心の文化だと思っていたので、
ちょっとしたカルチャーショックを受けてしまった。
- やはり、イスラエルは戦時状態
お腹も一杯になったところで店をでる。夜 22 時近かったが、上空を戦闘機が飛
んでいた。さすがはイスラエルである。ある意味で、この国は今も戦時状態なの
かもしれない。
この日は Yoramm にホテルまで送ってもらった。
To Be Continued…
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